今日は職場で「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」を受けてきました。
近年、障害者の就職への意識の高まりとともに、企業における障害者雇用の取り組みが進む中、精神障害および発達障害(以下、「精神・発達障害」という。)のある労働者も増加しています。
しかしながら、精神・発達障害者の職場定着は、必ずしも順調ではありません。職場定着に至らない要因は一人ひとり様々ですが、障害があっても、その特性を踏まえ、希望や能力、適性に応じて活躍できることが普通の社会、障害者と共に働くことが当たり前の社会を目指していく必要があります。職場でこれを実現するため、精神・発達障害者の同僚である皆さまに、精神・発達障害についての正しい知識と理解を持って、精神・発達障害者を温かく見守り、支援する応援者=「精神・発達障害者しごとサポーター」となっていただけるよう、厚生労働省では、精神・発達障害者しごとサポーター養成講座を全国各地で開催しております。厚生労働省HPより抜粋
一言でいうと、「職場に精神・発達障害をもつ仲間がいたら、正しい知識と理解でサポートしようよ!」というもの。
精神・発達障害をもつ人の割合からいくと、どの会社にも数名~数十名はいると思われます。
片付けられない女、発達障害の特徴
職場で、明らかに周りと差が出ているのが分かる程度に散らかっている女性がいました。机の上は隙間なくゴミと紙の資料が山積みされていて、机の周りの床にはシュレッダーをかける書類が何箱も置いてある。
毎年3月の席替えの時に一掃するのですが、年齢が上がってきて50歳を超えたころから、3月の大掃除の時でさえ、片付けをしなくなりました。(この場合、後任者が迷惑を被る)
そして毎年、彼女の後始末をする後任者からのクレームが噴出して、彼女の陰口が叩かれるようになったのです。
その噂が彼女の耳に入り、いよいよ社内の雰囲気が悪くなったころ、彼女から「謝罪の場を設けさせて欲しい」と、申し入れがありました。
そして、謝罪と同時に彼女の口から出た言葉に、わたしたちは驚きました。
「本当に申し訳ありません。片付けることが出来なくて、注意力も散漫で、最近自分でも嫌になるくらいだったので病院に行ったところADHDと診断されました。」
それを聞いて「そうだったのか」という想いと、これからどうやってサポートしようか、と二つの考えが頭の中をグルグル、グルグル回りました。
発達障害の特徴
- 注意面:ケアレスミスが多い。忘れやすい。整理整頓や課題の順序立てが苦手
- 行動面:次々と周囲のものに関心を持つ。周囲のペースよりエネルギッシュに様々なことに取り組む
たまに散らかっていてもすぐに片付けが出来る人は、これにあたりません。
発達障害である場合、整理整頓が苦手だと分かっていても、片付けのやり方が分からない。
「不要なものと必要なものを分ける」という作業が出来ない。その上、いざやろうとして立ち上がったものの、色々なことに気を取られて、いつまでたっても片付けに取り掛かれない。
こういった特徴があります。
発達障害を持つ人へのサポート
発達障害をもつ人へのサポートは「その人が何が出来ないかを把握し、出来ないところに手を差し伸べる。」ことだと認識しています。
もし、奥様が発達障害をもつ場合、片付けが出来ないことを責めるのではなく、奥様が出来ないのであれば「片付けは自分の仕事」と割り切ることも重要。
発達障害は先天性のものなので、誰のせいでもない。だから、不得意な部分を、周囲の人がサポートすることが、当たり前の世の中になるように、と今、社会が少しずつ変わり始めて来ています。
とはいえ、デリケートな問題でもあるため片付けられない人に、面と向かって「発達障害なんじゃない?病院行けば?」などと、気を遣わずに言うのはNGです。
言葉は、人の心を温めることもできれば、刃の様に凶器になることもあります。ですから、言葉を選ぶことは非常に重要です。
発達障害で片付けが出来ない時、物理的に出来ること
発達障害であることを本人が認識したら、対策を具体的にたてられるので、非常に良い状態まで来ています。
人は目標を決め、そこに向かって生きるとき、最大の力を発揮する、ということを利用し、行動に移させる。
それが・・・「困りごとのトリセツ」です。
これは仕事をする上で活用するために作られたものだと思いますが、家庭内で使っても有益だと思ったので紹介します。
例え夫婦間であっても、言ってみれば他人同士です。完全に分かり合えているか・・・というと分かり合えていない部分がたくさんある。
そして、発達障害があった場合はなおさら「どんなことが出来て」「どんなことが出来ないか」を伝えておく必要がある。
是非、活用してみて下さい。文字化すると、自分でもわかっていなかった部分が明確になるのでとても良いですよ!
まとめ
今でもまだ、「片付けられない人=だらしない人」と、いう構図はあるのかもしれません。しかし、ひと昔前に比べれば、社会全体で発達障害を理解しよう、という傾向になっているので、とても良いことだと思います。
だって、発達障害は先天性のもので、本人が望んでそうなっているわけじゃないから。
会社の中でも、病的に机や、その周りが散らかっている人がいて、上司から叱責されたり「あいつはだらしない奴」とレッテルを貼られていた方もいました。
もしかすると、あの方も発達障害だったのかもしれない。そう思うと、あの方はどうしようもない苦しみを抱えて毎朝、会社に出て来ていたかと思うと、胸が苦しくなります。
もし、片付けが出来なくて、日常生活を送るうえで「何かおかしい」と感じたら、一度診断を受けてみると良いかもしれません。
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