今住んでいる自分の家と、実家の片付けはどちらが大変かというと、圧倒的に実家の片付けの方が難しい。
しかし、親が生きているうちに片付けておきたい、きれいに片付いて安全な家で親に暮らしてもらいたい、というのが子どもの気持ちではないでしょうか。
亡くなった後に一気に片付けることも可能ですが、物に溢れた家の中で、高齢になった親が安全な暮らしが送れているとは到底思えないのです。
可能ならば、片づけて残りの人生をスッキリとした家で、気持ちよく暮らしてもらいたいもの。
目次
実家の片付けが難しい理由
「実家の片付けは難しい」と、実家の片付けを実行した人は必ず言います。昔は自分も住んでいた実家の片付けが、なぜそんなに難しいのでしょうか。
実家といえども、自分の住まいではないから
実家で暮らしたことはあっても、それはもう昔のこと。今は自分の暮らしがあり、実家はすでにもう自分のテリトリーではなくなっています。
実家の親の立場からすると、「余計なお世話」「放っておいてくれ」と思っているかもしれません。
そして、親にとってはいつまでも子どもは子ども。子どもからの指示を嫌がる場合もあります。
親が大事にしている物が分からないから
誰が見てもガラクタ(失礼)に見えるものでも、親にとっては大事にしている物である場合があります。
また、同じものがいくつもあり「1個あれば十分」と勝手に判断して処分しようとすると、親の逆鱗に触れることがあります。
生活を共にしていないから分からない部分が少なからずあるのです。
今は亡き祖父は元々多趣味。公務員を退職した後は、待ってましたとばかりに趣味を深く広げ、日曜大工、魚釣り、盆栽、おまけに退職してからは警察犬の訓練士になりました。
多趣味=物が多い。まさにこの法則通り、倉庫には祖父の荷物で一杯でした。
生きている時に何度も「荷物を減らそう」と持ち掛けたのですが、第三者が見るとがらくたに見えるものでも、祖父にとってはどれもが大事な宝物だったのです。
認知症を患っている可能性
実家を片付けようとすると、かたくなに嫌がり、ちょっとした騒ぎになる場合もあると聞きます。
認知症になると被害感情が強くなる傾向もあり、「片付けに来た」と言っても「何を盗みにきたのか!」と、とりつくしまもなく帰される場合もあります。
揚げ句の果てに、何も片付けられずに帰ったというのに「ここに置いてあった物が無くなってる!泥棒!」などと、あらぬ疑いをかけられその後の親子関係にひびが入ることもある。
実家の片付け。まずは自分の部屋から
実家の片付けで一番先に手を付けられる場所は、かつて自分が使っていた部屋だと思います。
ここなら「自分の荷物を整理する」ということにして、不要な物を処分しましょう。
自分の荷物が残っている場合は、懐かしむ気持ちもありますが、使わなくなって数年、もしくは数十年経っています。
それだけの長い期間、手にしていなかったものはこれから先も必要になることはありません。
懐かしむために取っておきたい気持ちも分かりますが、ここは思い切って処分しましょう。
実家を片付ける前に親を説得をすること
実の子どもであっても、自分の家を片付けられることに抵抗する親は多い。
祖父が亡くなり、祖母がひとり暮らしになって10年が経過した時「そろそろ、祖父の荷物を片付けよう」と持ち掛けたところ、祖母がとても悲しそうな顔をしました。
「もう、ばあちゃんも長くないからね。長くないんだから、片付けは死んでからでもいいんじゃない?」と祖母。
元気でぴんぴんしていたのに、「長くない」とか「もうすぐ死ぬんだから」などと、ネガティブな言葉を吐いてびっくりしたことを覚えています。
どうやら、祖母はまだ生きているのに家を片付けられると「もうすぐ死ぬのではないか」と一気に不安にさいなまれ、悲しくなったのだそう。
わたしたちの意図と180度異なる解釈に驚きました。
床に大工道具が転がっていれば、足がおぼつかなくなった祖母にとっては転んでけがをすることにも繋がる。
祖父が残した大量の盆栽のために、朝・夕の合計2時間以上を水巻きに時間を費やしており、80歳を超えた祖母には重労働でした。
- 盆栽が無くなれば、水巻きをしなくても良くなる。
- 床にものがなければ、転ぶこともない。そして掃除もしやすい。
- 老人のひとり暮らしに冷蔵庫は2個も要らない。
このことを繰り返し、繰り返し、1年以上かけてようやく祖母を説得し、祖母の家を片付けることに成功しました。
盆栽や大工道具は欲しい方に差し上げ、残った荷物は処分しました。その処分量は2tトラックが軽く2台分!!
まとめ
片付けはとてもシンプルな行動です。
不要な物を処分する、所定の位置にしまう。
これだけのことが、実家、つまり親の家では非常に難しい。
生きているうちに、不要な物を処分して、安全な暮らしをしてもらいたいのですが、片付けによって親子の関係性が悪化するなら他の方法を考えましょう。
亡くなった後に片付けに特化した業者に外注するという方法もあります。
自分の生活もあるため、何日もかけて実家の片付けをするくらいなら、専門家に任せる。短時間で片づけてくれるので、積極的に活用することをおすすめします。
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